再読。目当てはもちろんあれです、「赤い帽子」です。「地下室の処刑」に続く(?)森下くんのスピンオフ。なんかもうジャニーズ系でアルマーニ着てて周りからやたらスーツに突っ込まれてて「ラッキーボーイ」なんて言われて尻叩かれてるような森下が、 め ち ゃ く ち ゃ 萌えるんですけど?多分読んだ当時もそれなりに盛り上がったんだろうけどきっといまの比じゃなかった。ていうか、はい、白状しま す。あのころ私は火村しか眼中にありませんでした。だから森下のスピンオフでもどこかそわそわしてたし、探偵小説にハマってる身としては警察小説なんて退屈で仕方なかったんだろうな。今ではこんなにどっぷり浸かってるのにね!それとやっと気づいたんですけど鮫山ホントかっこいいですね…。銀縁メガネでオー ルバックで警部補とか脳内補完できすぎて困る。2次創作さま見ててもビジュアルが全くブレないから困る。「赤い帽子」は聞込みに推理に動き回ってる森下も良かったんだけど、それ以上に捜査会議にもえました。まず、自分の聞き込み発表のシュミレーションに忙しくて全然部長の話に集中できない森下とか、あるあ るある^^ってすごい親近感湧いたしそれ以前にそんな未熟さ丸出しの森下まじかわいい。そして当然のように茅野が出てきましたし。茅野もなかなかおいしいというのは聞いてますが完全に記憶から排除されてました。なのに捜査会議で森下にツッコミ入れまくりしかもそれがいやらしくてお前どんだけSなんだよと思っていたところTV局云々の話題で鮫山に丸め込まれてるし、なんだよ茅野ものすごくおいしいな!森下と茅野が言いあってるところ、船曳の「二人だけで白熱するなや」なんて突っ込みが異常にツボでした。なんなんだ大阪府警…恐ろしい子…!有栖川さんは警察小説を書かせても一品だということがわかりました。 ていうかこの人ホントに本格推理のひと?ってくらい安定した警察モノだったな。もうこの勢いで森下主人公の長編とか書いてくれていいと思う。
以下他短編についてちょろっと。
・切り裂きジャック
火村登場のときの「悪魔じゃなかろうか」っていうアリスのモノローグが恥ずかしい(笑)
・わらう月
火村シリーズの倒叙形式がすごく好きです。犯人側からの火村アリスの描写がいちいち萌える。これは犯人を無遠慮にガン見する火村がまじ好きだった記憶があっ て、再読でもまんまとそこの火村にときめいたのでわたし変わってないなと思った。馬鹿なフリして犯人ハメるアリスのポジションはなんだかんだでおいしい (笑)
・悲劇的
当初読んだ時は分からなかったオチの面白さが分かった。多分成長した。
・ペルシャ猫の謎
「買いなさい。損はさせないから」なアリスすごくいいなー。作家魂むき出しなところが。オチは全く覚えてなかった。すごいアンフェアかつ気味悪いと思う。
・猫と雨と助教授と
同人誌(笑)
雨の日に猫を拾ってくるっていう設定からしてなんかかっこいい男テンプレ過ぎて逆にムカつく。っていう感想は当初から変わっていない^^
あ、 いま思ったんですけどこれ重版とかでは題名どうなってるのかな?本文は「准教授」に直せるけど題名だもんなー。そもそも重版だと助教授→准教授の校正はさ れてるんだろうか?あえてそこは変えてないのかな。なんか火村シリーズに限らず「助教授」表記の小説持ってるって勝ち組な気がしてきた。こういうところで 時事ネタって面白いですよね。
とりあえず去年最後に読んだものと今年最初に読んだものを。感想どばー
伯林蠟人形館/皆川博子
お、お、面白かったー!!!
わたしの皆川さん歴は、ゆめこ縮緬→倒立する塔の殺人→本作ってな感じだったんですが。ゆめこ縮緬で「んんん…」と思いまして、第一印象はちょっと読み方がわからない作家でした。そして倒立する~で、百合!なんだか耽美!と思って、皆川さんといえば文章はきれいなんだけど読むのに疲れる作家という認識に落ち着いていました。佐藤亜紀もそんな感じかな。だから伯林を借りたのは夏だったんですがつい最近まで忘れたフリをしていました。最低w
それで…そうだな、やっぱり第一章は「うわぁ…」だったんですが、二章のナターリャが始まったあたりで「ん…?」と思って、最後の「アルトゥール。」という独白で「おおお!!」となりました。自分でもどこに心を動かされたのかわからない。ナターリャあたりでこの小説の構成がわかりはじめてくるというのもあるのかな。モノローグ→事実というね。ハイニの章になると当然のようにアルトゥールが出てくるけど経歴ではもう死んでるじゃない。「なんだと…?」という感じでこれまたわたしのテンションは上がりました。なんていうか、これは話のわからなさを楽しんできたような気がします。でもどんどん読み進めるうち、あそこでのあいつはこいつだったのか!!というねたばらし(?)もあって、軽くカタルシスを覚えることもできましたが。各章の題名がそれぞれの個人名で、帯にもある通りそいつらがいろんな場所で複雑に絡み合うから、ああ、わたしこういうの好きなんだなぁ!と読んでてわくわくしっぱなしでした。ミステリー…といったらミステリーなんだけど…だとしたら死んだのはだれだろう、ヨハンか?(笑)ただ、オチでは「そうまとめるの…!」と多少憤りました^^別にツィツェリエを「作者」にする必要は…なかったんじゃ…。
しかしですね、皆川さんの書く男と男はどうしてこうも耽美なのか。さっきからいってますが佐藤さんも完全にこの枠ですよね。むしろ佐藤さんが皆川さんに影響されてるのか。実際ちょっと苦手…だったので、アルトゥールの章では引いちゃったんだけど、他の章でやや客観的にアルトゥール→ヨハンを描かれたらころっと萌えてしまった^^あ、ハイニの章かな。そうだ、わたしハイニが好きなんだ← 後半にくると、ヨハンが自分(に模した人形)が死んでいるのをみて悦にいってるシーンなんかは「いいぞもっとやれ」という勢いでした。これは、進化なのか侵食なのか汚染なのか?(笑)と少し自分が心配になりつつも。Z**なんて表記も、佐藤さんもやっていてどうも苦手だったんですが今なら出されてもそんなに嫌悪感はないかもしれない。あと…さんざん出てくるドイツの情勢には苦労させられました。ルンピンに赤色革命に…どれだけオンライン辞書のお世話になったことか。改めてヨーロッパは地雷だなと思いました。でも以前より苦手意識はなくなった気がする。
そんな感じで、いいじゃん皆川博子!ってなってますいまは。もしこの先もっと好きになることがあったら、「伯林蠟人形から入った」と言えます^^なんか友人が次は聖餐城を貸してくれるらしいです。これまた…。
どうでもいい話なんですが、わたしが洋楽など聴くのは非常に珍しいんですがたまに聴く曲というのがあって、ちょっと最近のを上げてみるとパティ・スミスのbecause the night、民謡ですが草原情歌、ボブ・ディランの風に吹かれて、って、面白いくらいに小説関連でした。あと何かあった気がするんだけれども忘れた。なんていうんだ・・・小説中の人物が実際にある歌を歌ってるのがすごく好き。それが洋楽で割と古くて有名なものだととてもテンションが上がります。曲じゃなくても、東西問わずに文学とか、演劇についてキャラたちが語ってたりするのもすごく好きです。「太宰治がこんな話を書いていたんだけど、」とか言わせてるの見るとにやりとする。う~ん、うまく伝えられない。・・・なんにせよ音楽・文学・演劇なんかの古典文学を持ち出してくるインテリっぽい登場人物に萌えるんだな。結局そういうことなんだと思えてきた。音楽に関しては何が古くて新しいのか全くわからないけどね!