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ちゃんと今日も目が覚めたのは 君と笑うためなんだよ
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感情に任せてなぐり描きです。
反時計回りに葉月、昴、昴兄

やー面白かった!
臓器移植や脳死、死の定義などなどあまりにも現代的な問題が取り上げられてます。
でも物語自体はなんだかSF的。月の夜だけ話が出来る少女が、自分の身体を人々に分け与えようとするという、幸福な王子に仮託した構成がなんともエンターテイメント感を出していたと思います。
リアルな問題にへこみつつ、出てくる登場人物(キャラ)の面々に気を取られつつ、スピード感あふれる終盤は一気に読めました。

とにかく登場人物がいちいち一筋縄でいかないヤツばかりなのに、それと描写の距離感が釣り合わないというか、それもっと詳しく!突っ込んで!という感じでもだもだしてました。
でもそれは人物描写がおざなりになっているというわけではなく、そういうふうに描くべく描いているようで、不快感はなかったかな。
主人公の昴くんはちょいちょいワケありの兄の存在をちらつかせていてとても良い。
葉月は幕間っぽいとこと最後くらいしか出番がないけど、初野さん実は葉月萌えしてるんじゃ…と勘ぐってしまうくらい可能性に富んだキャラ設定されてたんじゃないでしょうか。(個人的見解)

個人的に昴の兄は非常にツボでした!
仕事に疲れて自殺未遂をはかり、会社からは精神病のレッテルを貼られて病院送りにされ、その結果が心配する弟に自分の位牌を押しつけて決別ですよ。これだけ用意されたらもう煮るなり焼くなりどうにでもし甲斐があるというものです。
第3章は、そんな兄を心配し続ける学生時代の親友がメインです。
親友の笠原視点で描写される兄に漂う退廃と諦観がたまらんかったです。初野さんにはこれからこの類のものを期待すればいいということが分かりました。
笠原が「俺に出来ることはないかな」と問うのに即座に「何が?」と聞き返せる兄の残酷さすごい。それに対して笠原は「ジュースを買ってくるよ」とかおいやめろ!そういう好みすぎる会話をするのやめてください!!
章の最後での笠原と昴のニアミスは非常にテンション上がりました。
結局兄は弟と和解できるのか?笠原の献身は報われるのか?など気になりすぎるその後の展開は特に描かれないとかほんと妄想膨らんでひどい。

兄萌えしすぎて趣味に走った良く分からない感想になったので反省してます。
本当は萌えるとかそういうんじゃないで…きっと真面目な感想いっぱい書ける小説なんで…。
でも、これで脳死とか臓器移植とかの問題を真剣に考えるにはエンタメとして完成しすぎてるんじゃないかなとも思います。
ただ、死んでるとは、生きてるとはどういうことか?というテーマが根底にあったのは良かったです。
脳死の状態でいる葉月と、社会的に死んでしまったとも言える兄貴を、主人公が重ねているシーンなど。そういう人物設定というか役者のつじつま合わせのうまさがあるなと思いました。

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